長崎南部T町地域ねこ活動現場報告

T町のYさんがお世話をされている地域ねこ現場を確認してきました。

この現場は、2年ほど前からYさんが個人で少しずつ不妊化を進めていたところです。半径200~300mほどの地区に少なくとも20匹を超えるねこがおりあまりに頭数が多いこと、近所から常に苦情を受け、動物管理センターからもチェックが入る状態だったことから、2012年7月に長崎猫の会.さんの不妊化助成を受けて2匹を不妊化されました。その後、地域ねこ化を進めるということで2012年8月に協議会に加入され、これまでの約1年間で22匹の不妊化を済ませています。

  • 2012/08/20-1匹=グレーキジシロ♂
  • 2012/08/29-1匹=キジ♂
  • 2012/08/30-1匹=サビキジ♀
  • 2012/09/26-2匹=キジ♂、キジ♀
  • 2012/11/29-2匹=クロ♂、キジ♀
  • 2012/12/17-1匹=ミケ♀
  • 2012/12/19-1匹=グレーキジ♀
  • 2013/03/04-2匹=キジ♂、キジ♂
  • 2013/03/22-3匹=クロ♂、クロ♂、クロ♂
  • 2013/05/14-2匹=ミケ♀、キジ♀
  • 2013/05/23-3匹=キジ♂、キジ♀、キジ♀
  • 2013/08/19-2匹=キジ♂、キジ♀
  • 2013/08/20-1匹=キジシロ♂

 

ただし、このうち2匹は既に不妊化手術が施されていましたが、病院の方針で耳カットを入れることができていなかったために、開腹後に施術済みであることが判明しています。ねこさんにとっては余計な負担ですし、お金ももったいないです。「ノラネコに手術をしたら耳カット」は鉄則ですね。

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一番新しく手術をしたキジシロは、超フレンドリーでした。耳カットの跡がまだ真新しい。

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「飼えないからって、捨てないで。」ポスターとちらしを貼っていただいています。

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Yさんのお店(たばこ屋さん)のカウンターに陣取るキジシロ♂

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この美猫ミケは昨年12月手術した子(だと思います)

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向かいの青果店を訪問中のクロ♂(今年3月手術分)

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このチャシロ♂は、最近やってくるようになった未去勢オスです。


この現場ですが、もともとYさんがお世話をしていたねこさんたちの不妊化は、概ね2012年中に終了していました。ところが、同じブロック内(Yさんのお店から100mほどしか離れていない)で多頭飼いしていた方で半崩壊事案が起こってしまい、管理しきれなくなったその方のねこさんたちが未不妊のまま現場を闊歩するようになってしまいました。このため、2013年3月以降集中的に半崩壊事案のねこさんたちの不妊化を進めているところです。現在残りは成ねこ2匹・子ねこ4匹という話ですが、ねこの性別もよく把握できていない飼い主さんであるうえに、きちんと屋内の現場確認までは行なえていないため、どうしても不透明な部分が残っています。

こうしたねこさんたちまで「地域ねこ」にできるのか、また不妊化助成を行なってもよいものかどうかについては、協議会内でもまだ意見がまとまっていません。が、確実にわかるのは、「放っておけばより悪くなる」ということです。とりあえずは不妊化手術だけでも済ませてしまい、落ち着いてから、道理が通っていなかった点がないか検証し、あらためて清算するというのが「次善の策」なのかなあ、と迷いつつ考えているところです。

さらに、一番最後の写真に挙げたチャシロ♂は、最近になって、隣接するブロックの餌やりさんの現場(不妊化については一切関心がない、いわゆる「困った餌やり」)から流入してきた可能性があります。隣接ブロックのねこ頭数は、昼間にざっと眺めた感じで20匹以上、そのうち1歳未満の子ねこが半数以上と見受けられました。おそらく、大量に子ねこが生まれて、大量に死んでいるものと推測されます。はじき出された個体や、よりよい餌場を求める個体が、Yさんの現場に断続的に流れ込んでくる状況があるようです。

というわけで、かなり障害の多いこのT町の地域ねこ現場ですが、この先どういうふうに管理していくか、また地域にどう働きかけていけるのか、協議会が関わって1年が経過する現在、もう一度話し合って検討する必要がありそうです。