協議会不妊化助成ねこ(1) – 長崎南部M町アイちゃん
昨年販売した協議会チャリティーカレンダーの収益金(約40万円)を基に、長崎県地域猫活動連絡協議会では、2011年8月21日に長崎南部M町のアイちゃん・グーグーちゃんの不妊化手術に対して助成を行ないました。協議会としての不妊化助成ねこ第1号ということになります。
2匹は、今年販売中の協議会チャリティーカレンダー『ながさきの地域ねこ2012』にも登場します。グーグーちゃんは手術後すぐに元気に走りまわり、愛嬌をふるまっているのですが、アイちゃんは開腹時に左腎臓の周囲に水が溜まっているのが発見されました。簡易検査の結果では、特に重篤な腎不全のきざしが見られるわけではなく、経過観察ということになりました。
しばらくは小康状態だったのですが、9月中旬ごろから食欲が落ち、目立ってやせてきました。一方で、避妊手術前まではひとと距離をとりがちだったのが、甘えてすり寄ってくるようにもなり、どこか体がだるいとか痛いとかいうふうでもありませんでした。
このまま少しずつ回復していくかなと思っていた矢先、10/7に容態が急変し、下半身がふらついて歩けない状態になりました。餌やりさんの自宅で面倒をみることになり、この連休中にもずっと見守っていただき、10/10には不妊化手術をしてくださった動物病院で点滴をうってもらたりもしたのですが、今日10/11の朝、息を引き取りました。
不妊化手術を担当して下さった動物病院の先生からは花束をいただきました。ありがとうございました。
おそらく避妊手術の際に判明した腎臓まわりの不良がきっかけとなって、腎不全(あるいはそれに近い状態)を引き起こしたのではないかという推測はしていました。ねこでも人間でもそうですが、腎臓を一度やられると、それを元の状態に回復させることは、現在の医学・獣医学では不可能です。なんとかだましだまし病気と付き合うほかはありません。
はっきりとした病因がなんであるのか、それを調べるには、高額の検査料がかかります。それがわかったところで、その先に治療を定期的に続けられるかといえば、そこにもやはり金額面の壁が立ちはだかります。個人の飼いねこであればともかく、10匹、20匹の外飼いのねこたちの面倒を見なければならない「地域猫活動」では自ずと限界がある。協議会とそのサポートメンバーのちっぽけな財布でお金を出し合って、それでもどこまで生きられるかわからない。
できるかぎりの医療を受けさせるのがアイちゃんにとってよいことなのか。それとも、与えられた寿命のなかで精一杯QOLを保ちながら安らかに過ごさせるのか。どちらがよかったのか、今でもわかりません。ただ、あまり人慣れしていなかったアイちゃんが、餌やりさんがそばにいて一緒に過ごしてくれることを喜んでいた、ということは確かです。ベストの選択ではなかったかもしれないけれど、アイちゃんは満足して旅立っていった、と思いたい。
よくこんな感じで考え込んだようなポーズを取っていました。写真を撮られるのは苦手だったのかもね。
アイちゃんの冥福を祈ります。